「ハルシオン開発中その2」米国統計学会の季節調整研究会で報告

Halcyon: an enhancement of X-13ARIMA-SEATS 2024年9月22日

 

米国統計学会 季節調整実務者研究会 (2024 SAPW) 提出資料

📚提出資料のpdf版📚

2022年の投稿「ハルシオン開発中」の続きです。

当研究所が「センサス法季節調整プログラム X-13ARIMA-SEATS」の改造、すなわちハルシオンの開発に着手したのは1994年のことでした(当時、センサス法の呼称はX-12-ARIMAでした)。担当者のブライアン(Brian C. Monsell)は就職同期。同年配の気安さもあって質問も提案も大量に送りました。ほどなくミスター誰それでなく「ハイ!ヒデキ/ハイ!ブライアン(俺/お前)」と呼び合う仲になりました。今年2024年はハルシオン開発30周年にあたります。
そのブライアンから「第4回季節調整実務者研究会」に誘われたのが2022年。2024年は同会の第5回だけでなく、経済協力開発機構・フランス国立統計経済研究所共催の研究会にも参加することになりました。

このスライドはその中で、2024年9月11, 12日に開催された米国統計学会 (American Statistical Association) 季節調整実務者研究会 (Seasonal Adjustment Practicioners Workshop, SAPW 2024) でのハルシオン開発の報告です。テーマは「世界の主だった祝日の影響を除去するソフトウェア」。
春節(旧正月)、イスラム教のラマダン明けのお祝い、ヒンドゥー教の光の祝日「ディーパバリ(またはディワリ)」などは世界の多くの国で公的祝日とされ、またそれぞれの民族・宗教にとっては毎年数日間を費やす重要な祝日です。結果、公的祝日となっていない他の国々の経済指標にも影響する事例が見られます。ハルシオンは最終的に世界の主要な祝日による経済指標の変動を、自動的に検知するソフトウェアを目指しています。

当方の発表に対し、米国センサス局で各国の祝日要因を分析してきた実績を持つ担当者から「多様な祝日の長期にわたる日付をどのようにして収集したのか?」という経験者ならではの質問がありました。
この質問への回答は提出資料に”References and Links”としてまとめてあります。📚提出資料のpdf版📚では12~14ページです。